厚生労働省が参院厚労委員会で、新型コロナウイルス関連の解雇や雇い止めが20日時点で9,569人に上ることを明らかにした。政府が緊急事態宣言を発令した4月から、企業などの休業に伴い職を失う人が急増し、1万人に迫ったとのこと。派遣社員の大量の雇い止めが表面化するのは「5月」。この危機への懸念が労働関係者の間で広まっているのが現実。2008年のリーマン・ショック以来の雇用危機が現実味を帯びているよう。
経営基盤の弱い中小企業を中心に解雇・雇い止めが相次いでおり、「さらに拡大する恐れがある」との見通しを示している
派遣社員は四半期ごとの契約が多く、7月からの第2四半期は5月末に次の更新の有無が分かるとのこと。非正規労働者を支援している「派遣ユニオン」によると、4月の緊急事態宣言発令後に解雇・雇い止めの相談が増えているのが現状とのこと。
厚生労働省は2月から各都道府県労働局の報告を集計し、解雇・雇い止めの人数を月ごとで比較すると2月が282人、3月が835人、4月が2,654人、5月が5,798人と確実に右肩上がりとなっている。業種別にみるとホテルやタクシー運転手など観光に加えて休業が相次いだ飲食業で多かったとのこと。
大和総研(東京)の推計によると、感染拡大が年末まで続けば、2020年の雇用者数は前年と比べて356万人減少し、完全失業率は7.5%程度に悪化する見通し。リーマン・ショック後の2009年の5.1%を上回る予想